君との子育ての日々 2

□バブ56
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刹那――――



「邪魔」



いつの間にか復活していた男鹿が、言葉通り邪魔くさそうに神崎を殴り飛ばした。

1ページ前で叫んだ神崎は歯が折れ、白目を剥いて土星あたりまでとはいかないが飛んだ。

あまりの急展開に、夏目と葵、未希は唖然とする。



(――――な…)



「「「「なぐったーっ!!」」」」



扉からの観戦者達が一斉に愕然と叫んだ。

男鹿に殴り飛ばされた神崎は、顔面で地面を滑って再び動かなくなった。

登場した数分後に、再び殴られるというあんまりな扱いを受けた神崎。


……微妙な空気が流れる。




(な…)

(ひでぇ…)

(鬼か…)

(ヒドイな…)

(なんて非道(ひど)い…)





(悪魔……)



再びボロボロになって気を失った神崎。



「悪いな……」



彼を殴り飛ばした男鹿は、手で血を拭いながら立ち上がる。



「こいつはもう


オレのケンカだ」




いまだに熱い闘志が溢れる男鹿の声には、力強さがある。



「男鹿」

「やられてなかったんだ……」

「そうみたいね」



男鹿の復活に嬉しそうな声をあげる葵と未希。



「アーッ」



葵の腕の中のベル坊は、高らかに叫んだ。


目の前で無表情で佇む三木を指差しながら、男鹿は静かに言い放つ。



「こっからだぜ」





→あとがき
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