君との子育ての日々 2

□バブ57
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いきなりの出馬の登場に、三木は驚愕する。



「出馬さんっ……!!」

「出馬…」



三木に続いて唖然とする郷。その後ろでは、夏目が疑問符を浮かべた。

一方、扉の中では、出馬が声をかける。



「はいはい、ちょっとごめんなー」

(でかっ)



近寄ってきた出馬の背の高さに古市はギョッとした。



「ん………?」

「あ」



通りすぎざま、出馬と亜希の目が会った。



「あの時の…」

「あぁ、久しぶりやな」

(え……?)



出馬に声をかけた亜希の姿に、古市は驚愕する。



「まさか、また会えるなんて…。ここの生徒さんなんですか?」

「せや。3年や。また後で色々と話そな」

「はい」



出馬と会話すると、亜希は彼に手を振って見送った。



「亜希ちゃん、今の人と知り合いなの…?」

「うん。夏休みの時にちょっと助けてもらったの」



にこやかに微笑む亜希の返事に、古市は引きつった笑みで「へーっ…」と相づちを打った。

背を向けて歩いていく出馬の後ろ姿を見つめる古市は、カズに訊ねる。



「あれも、六騎聖なの?」



しかし、カズの返事がない。



「山村君?」

「どうしたの?」



振り向くと、カズは顔から汗を流し、震える声で返す。



「お…終わりです…」

「へ……?」

「あの人が来たら、もうケンカにならない…

もちろん、男鹿さんでも…」

(…………!!?)




恐怖に満ちたカズの言葉に、古市は驚愕する。



「三木さんの師にして、六騎聖最強の男

出馬 要!!

出馬八神流 十六代目当主です」



屋上に来た出馬に葵達は顔を向ける。


そして、葵の腕の中のベル坊も、出馬をマジマジと見ていた。



「アー」





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