君との子育ての日々 2

□バブ59
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「―――いいや、まだだね」



木戸が持ちかけた提案に、姫川が歪んだ笑みを浮かべながら告げる。



「あいつらにリスクがねぇ

オレ達が勝ったら、六騎聖の権限とやらを取り下げて貰うぜ」



指先を教師達に向けて放たれた姫川の提案。



「おいっ」

「調子に乗るなよっ…「いいだろう」



怒鳴り散らす教師達を遮り、木戸は姫川の提案を呑んだ。

しかし、表情を崩さず、静かに言い放つ。



「ただし、勝敗がどうであれ、その後は一切もめ事を起こさないと誓って貰うぞ」

「当然v」



こうして、双方の提案が受け入れられ、古市はホッとする。



(こーゆー時は頼もしいな…)




―――――――――




「ざっと、こんなもんよ」



話が終わった所で、姫川を先頭に教室へ向かう



「さすが、姫ちゃん。駆け引きがうまいねー」

「ほんと!もう、カッコよかったですよ!!」



先頭の姫川を絶賛する夏目と未希。

夏目はちゃっかりと、未希の手を繋いでいる。
その後ろには、苦い表情を浮かべる古市。



「首の皮一枚つながりましたね」



古市の後に東条と男鹿が続き、一番後ろの亜希と葵が頭を下げて部屋を後にする。



「「失礼しました」」



そう言って、葵が扉を閉めようとした時だった。



「あぁ、亜希さん。君は、残ってくれないか?もう少し話があるんだ」

「え…?」

「…?」




扉を閉めると、寧々と千秋が駆け寄ってくる。



「姐さん!!どうでしたか!?」



少しすると、男鹿と東条がふと口を開く。



「えーと…」

「で、

そろそろ行っていいのか?」


平然と訊ねてきた男鹿と東条に、姫川達は怒鳴って返す。



「いいわけねーだろ!!」

「何聞ーてたんだ、ボケ!!」

「死ね」

「バカかお前ら!!」

「は?スポーツ対決?

何だ、そりゃ?」

「つーか、遅せぇよっ!!」

「いいから、てめーら大人しくしてろよ」



呑気な男鹿と東条への怒りが爆発する後ろで、葵が頭を抱える。



「頭痛い」

「姐さん?」



そこへ、男鹿が振り返って訊ねる。



「亜希はどーした?」

「亜希なら、先生に呼ばれて残ったわよ。なんか、まだ話があるみたい」

「ふーん」




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