君との子育ての日々 2

□バブ60
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不安の声をあげる烈怒帝瑠一同。

ここで、由加が明るい声で提案する。



「姐さん、亜希さんっ、こーなったら色仕掛けっスよ、色仕掛け!!」



この提案に、葵と亜希の頬がうっすらと赤らむ。



「い…、色仕掛け?」

「そーっすよ!!」

「なんであたしまで…?」

「亜希さんの胸がボインだからっスよ
ちゃんと練習に来て、試合に勝ったらおっぱい見せるとか言うんスよ!!
奴ら、これでオニやる気出しますよ!!」

「な……」

「え…」



由加の強い申し出に、葵と亜希の頬が一気に紅くなった。

その直後、寧々が由加の首を締め上げる。



な・ん・でっ

姐さんと亜希がそんなクソ大サービスしなきゃいけないのよ!!」



ギリギリと由加の首を締め付ける寧々。


「はっ…、入ってます寧々さんっ。映画で見たんスよ!!」

「じゃあ、アンタが見せなさい!!」



手加減なしの首しめに苦しむ由加は、寧々の手を叩いてギブアップの意を示した。

そこに、壁に寄りかかって眺めていたヒルダが、薄ら笑いを浮かべて声をかける。



「困ってるようだな…」

「おらっ、牛乳(うしちち)っ!!このタイミングで入ってくんなや!!
アタシらじゃムリとでも言いたいんかいっ!!
姐さんのスレンダーボディなめんなよっ!!」

「やめなさい」



ヒルダに牙を向ける由加の頭を、葵は軽く叩いた。



「私は邦枝より亜希の方が効果はあるとは思うが、断じて反対だ」

「何を…」

「邦枝の身体は平面的で何もないが、亜希の胸は柔くて豊満。――たとえるなら、甘い果実だ」

「なっ…」



失礼さ満載の感想を平然と述べるヒルダに、由加は言葉を失う。



「その果実は、見た者の心を捕らえる魅惑の実。それを、野性的で強欲な肉食狼どもが見ていい代物ではない」

「それで、あなたは反対と…?」

「その通りだ。少しは賢いみたいだな、邦枝」

「………」



ヒルダに鼻で笑われた葵は、ムスッとする。

その時―――…



(ちょっと待ったぁぁっ!!)




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