君との子育ての日々 2
□バブ61
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「黒コゲてます」
そこには、古市の言葉通りに全身黒コゲの男鹿の姿があった。
「一体何が―――…っ!?」
全力で叫んだ神崎。男鹿が黒コゲの原因は、彼の背中をペシペシと叩くベル坊であろう…
―――と、その時、聞きなれた声がする
「全員そろいましたね」
その声に、一同は振り向く。
「皆様、本日は"バレーボールについて学ぼうツアー"に参加いただき、誠にありがとうございます♪」
バスガイド風にスーツを着こなした亜希の登場に、退学組(東条除く3年)は声を揃える。
「「「亜希!!」」」
「萌えぇぇぇぇ!!」
鼻血を垂らして叫んだのは、古市である。
「参加してねーよ!!」
「寧ろ、拉致られてんだけど!!」
「亜希、そちらは揃ったか?」
カツンとヒール音が弾ませて現れたのは、小さめの紙袋を持ったヒルダだった。
「はい、こっちはオッケーです!!」
「よし、では本題に入るとしよう」
亜希の報告を受けたヒルダは進行する。
「オガヨメ!!」
途端、神崎と姫川は抗議の声をあげる。
「てめぇの仕業か、このやろうっっ!!」
「そーいや、あのおっさんも見た事あんぞ!どーゆーつもりだ、こらっ!!」
「ケツふかせてー」
「さっさと帰らせろや、ブス!!」
神崎が最後の抗議を発した瞬間、ついにヒルダがキレる
「騒ぐな」
容赦ない蹴りの一発は神崎を倒すだけでなく、周囲を黙り込ませた。
「私は唯の使いだ。あるお方のな…」
「あるお方?」
「ま、わかりやすく言うと黒幕ってとこかな?」
ヒルダと亜希の言葉に、古市の脳内にある人物が思い浮かぶ。
それは、ベル坊の本当の父 大魔王。
(―――って、おいおい、まさか…
大魔王!?
―――亜希ちゃんは大魔王に会ったのかな…)
「このディスクにその方の言葉が入っておる。まずは、それを見て貰おーか」
ウサギの口が開き、そこにディスクを挿入。
「あ、それプロジェクターなんだ…」
「では、再生します。皆様、スクリーンをご覧ください♪」
―――えぇーっ!?いやいやいや、マジか!?映ってんのか!?
ついに大魔王登場か!?
こんなふざけたイベントで!?
亜希の軽い声で部屋が暗くなり、ウサギの目からスクリーンが映し出される。
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