君との子育ての日々 2

□バブ62
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その直後、ヒルダは先ほどより強い威力を込めてサーブを打った

同時に葵も踏み出し、両手を突き出してレシーブする

ボールは宙を舞うと、パサッとネットに当たって床に落ちた

その瞬間、歓声が沸き上がる



「かっ、返したーっ!!」

「しかもネット前、ドンピシャだぜ!!」

「姐さんっ!!オニしびれたっス!!」

「やりましたね!!」



烈怒帝瑠のメンバーが歓声をあげる中、夏目は呟く



「――――…さて、そろそろ練習再開といきますか…」



その言葉に葵が振り返ると、男鹿達が次々とネットの周りに集まっていた。



「何してんだ。さっさと入れよ。しょーがねーから、キャプテンはてめーに譲ってやらぁ」

「リベロな」

「さらに言うと、リベロはあくまでも守備専門のポジションであって、キャプテンじゃないからね」



男鹿の言葉に、姫川と亜希が静かにツッコミを入れた



「ま、オレは元々スパイク専門だしな」



軽くストレッチする神崎があっさりと辞退し――



「つーか、邦枝先輩、腕とか大丈夫っスか!?」



鼻にティッシュを詰める古市が心配し――



「―――待ちくたびれたぜ」



東条がやる気モードに入っている

誰も異論ない



「―――と、いう事だ……」



張り詰めていた集中力が解れた座り込む葵に、ヒルダが告げる



「貴様がリベロでキャプテンだ。しっかりまとめるんだな」



微笑むヒルダから役目を追加され、葵は考え方を改める



(―――…この人まさか、はじめからこのつもりで……)

「っしゃあぁ、いくぞぉぉっ!!」



と、やる気満々で気合いを高める男達の姿を見つめる烈怒帝瑠のメンバーは感心の声をあげる



「なんか…、いいかんじになってきましたね…」



まとまりつつある石矢魔

そこへ、待ったの声がかかる



「待ちなっ!!」



その声が体育館に響き、皆一斉にそちらに振り向いた



「六騎聖を倒してーのは、てめーらだけじゃねーぜ…?」

「キキッ」

「オレ達を忘れてもらっちゃ困るなぁ」



体育館に現れたのは、揃いのユニフォームを着たMK5とグッナイとウインクするグッナイ下川である



「MK5!!」

「+1(プラスワン)!!」





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