パラレル駄文A

□The other side of wall(後編)
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次の日から彼女はいつもの時間に登校しなくなった。
避けられている。
そんなことはすぐにわかった。
でもやっぱり少しの望みを頼りに、いつもどおりの時間に登校する自分が情けなかった。

それからの学校生活は一変してしまった。
何がかわったかと聞かれれば大したことではないが、「毎日に色がない」と、そう思う。
すがすがしい朝の青さも、雲の白さも、何も感じないし目に入らない。
あの日まではあんなに毎日が鮮明だったのに。

自分で招いた結果だ。
それなのになぜこんなに胸が苦しいのか。
なぜこんなに彼女の笑顔が見たいと思ってしまうんだろうか。
俺はなんて我侭な人間だったんだろう。

しばらく時間が流れて、あの日無理やり彼女を奪ったことなんて嘘みたいに、毎日は平穏無事に過ぎていく。
でも、自分の心が日に日に枯れて行くのを実感していた。

自己中心的な考えだなんてわかりきってる。
でも、これ以上平静を装うのも限界だった。
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