パラレル駄文A

□再会は罪の始まり(中編)
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気が付けばもう7時。
キラとの約束は7時半からだったことを思い出し、また気が沈んだ。
『会いたいけど会いたくない』
こんな複雑な感情を、俺はこれまで知らなかった。

結局その後だらだらと帰る準備をして、メールで案内されていた店についたのは8時前。
店員に案内されてキラ達のもとへ向かう。
「アスラン、遅いよ!」
席につけば俺が口を開く間もなくキラからの言葉。
「すまない」といいながらキラを見れば隣にいる彼女が目に入る。
相変わらず儚げで、美しい。いや、美しさは昔以上か。

「キラ、アスランはお仕事だったのですから…」
「もう、ラクスはアスランに甘いんだから」

そんな二人のやりとりは何回も見ているはずなのに、まだ慣れない。
まだ胸がざわつく。
俺ってこんなに女々しいヤツだったんだな。

キラ達とはわざと離れて座る。
二人の姿を見ると苦しいから、「逃げた」という言葉がきっと正しい。
自ら選んだ席とはいえ、やっぱり女の子特有のテンションにはついていけない。
やたら肩に触れられるのも、香水の匂いも、嫌悪感にしか変わらない。
こんなことだからキラに「男が好きってことないよね?」なんて言われるんだろうな。
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