パラレル駄文A

□The other side of wall(後編)
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その日、俺は昼休憩が始まると同時に音楽室へと急いだ。
部屋の前で音楽の授業を終えた生徒達が出ていくのを見守る。
最後の女子のグループが出て行くのを確認して俺は音楽室へと入った。

授業を終えて今の授業の内容でもメモしていたのだろう。
彼女は手元のノートにペンを走らせていたが、俺の存在に気づくと体を強張らせ、元々大きな目をさらに大きく見開いた。
明らかに拒否の姿勢。
もちろん、その態度は予想していた。
「何もしませんよ」
「…何か、御用ですか?」
彼女は俺から目を逸らした。
彼女は明らかに動揺していた。
彼女だけじゃない。

この俺も。
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