パラレル駄文A

□再会は罪の始まり(中編)
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しばらく適当に愛想をふりまき、さりげなく席を立つ。
トイレに行くと、少し遅れてキラもトイレに入ってきた。
洗面台に手をついて疲れた顔をしている俺を尻目にキラは俺に話しかけてくる。
「どう?いい子いた?」
「…別に」
「アスラン、うちの男社員なら誰もが一度は参加したいコンパなんだよ!?もっと楽しまないと損だよ!」
(なら他の男社員を呼んでやってくれ…)と心の中で語散る。
口には出さないが。

その時、キラのケータイが鳴った。
キラはケータイのディスプレイを見てあからさまにゲッという顔をした。
きっと会社関係からだろう。
「はい。キラ・ヤマトです。・・・はい、・・・えっ、はい、わかりました」
ケータイを切った瞬間さっきまでのテンションから一変、大きな溜息を吐くキラ。
「会社に戻らなくちゃ…」
「たいへんだな」
言葉ではそういったものの、感情はそんなにこもってない。
それがキラにも伝わったらしく、少しうらめしそうな顔をしていた。
「仕方がないからラクスを送り届ける任務を君にあげる」
「は?」
「僕のかわりにラクスを家まで送ってって言ってるの」

『ラクスに謝らなくちゃ』そう言いながらまた俺の返事を聞かずに立ち去るキラ。
正直、その時の俺の心の中は自分でも理解できない感情が渦巻いていたと思う。
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