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□日記logまとめ
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「あ、あの、これ、何ですかっ」
焦ったように言うスナコの頭には薄ピンクのウサギの耳のようなものが付いている。
朝、寝苦しさで目が覚め起きてみたらすでにこの状態だった。
何やら違和感を感じ恐る恐る頭を触ってみたところこのふわふわとした耳が付いていたのだ。
(なんなのっこれっ)
叫びたいところだがまだ夜が明けきってない朝方。誰か目を冷ましてしまうかもしれない。それこそ恐ろしい。何と馬鹿にされるか。
(と、とりあえず朝ごはんを)
スナコはとにかく優しい子なのだ。この状況下で他人の朝食の準備をし出した。
もしも誰か起きてきたらと考えていつも愛用の黒いローブを被りキッチンに向かう。
(誰も起きてきませんようにっ)
スナコの思い虚しくキッチンには同居人全員が揃っていた。いつもなら皆寝ている時刻だ。何か不安が募る。
「あっスナコちゃんおっはよー!!!」
「おはようスナコちゃん」
各々挨拶をしているがスナコはまだこの状況を整理できていない。
まず何故この朝早くから起きているのか。
どうして誰にも会いたくないというタイミングで皆が揃っているのか。
「あ、おはようございます」
(に、逃げ出したいっ!!まだ誰も耳の存在には気付いていない!!)
微かな沈黙の後最初に口を開いたのは珍しくも朝が苦手な蘭丸だった。
「スナコちゃん、ローブとって」
何かを確信したように言う。
ニコニコ
武長と雪之丞の無言の圧力。
ここでスナコは確信した。
バレてると。
抵抗するのは無駄と知っているので大人しくローブをとった。
(馬鹿にするならすればいい。)
スナコの心とは裏腹に四人はその可愛さ故悶えていた。
(か、可愛い///)
(似合うとは思っていたけど想像以上だよこれは///)
そうこの耳を着けた犯人はこの四人。卯年にちなんで去年のうちに乃依に頼んでおいたのだ。
漆黒の髪に白い肌。
薄ピンクの耳がよく映える。
「やっぱり可愛いよ、スナコちゃん」
「え?」
「ごめんねそれ俺たちが昨日寝たあとに着けたんだよ。
ほら、ピンになってるの」
武長がネタばらしをする。
スナコは恥ずかしさやら馬鹿馬鹿しさやらで顔を赤らめ、それを見た四人は再び悶えていた。
そのあとスナコ争奪戦になったのは言うまでもない。
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end
今年は卯年ということなのでスナコちゃんにうさみみを。
白じゃなくて薄ピンクの耳がこだわりです。マニアック←