短編2
□乳の日
1ページ/1ページ
「おーい名前!」
「何よ、じゅうだ……い?」
十代は名前の胸をわし掴みにした。これが挨拶だ、と言わんばかりに揉んでいる。
「いきなり何するのよ!」
「だって今日は、乳の日って翔が言ってたから」
「そっちの乳じゃなくて、父親の父よ!」
「何だ。おっぱい揉み放題の日かと思ったぜ!」
誤解が解けても十代の手は離れなかった。それどころか、名前の胸を愛でている。やめる気配は一向にない。
「ちょっと十代!」
「おーい名前! 今日は乳の日なんだってな!」
「……ヨハン」
名前の胸に、もう一つ手が追加された。柔らかい乳房はその手の中で、むにむにと形が変えられる。
「ヨハン、乳はおっぱいじゃなくて父親の父だぜ」
「へぇ、よく知ってるな十代」
十代とヨハンは、何食わぬ顔で指を動かし続ける。
硬くなった突起にまで触れられた瞬間、名前の堪忍袋の緒が切れた。
「……っいいかげんにしなさい!」
「うわー名前が怒った!」
「逃げようぜ十代!」
その後、逃げた十代とヨハンをとっつかまえて説教をした。これに懲りて、もう馬鹿な真似はしないで欲しいと思った名前だが……。
「エロ戦車出撃ーっ!」「キャー!」
「へっへー名前のパンツは白!」
「待ちなさい! 十代、ヨハン!」
翌日も十代とヨハンのセクハラが待ち受けていた。
「好きな子はいじめたいってやつッスかねぇ」
「小学生みたいだドン」
十代たちの不器用なアプローチは続く。