蒼き女王

□4GAME
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「何が内緒なんだ?」


「あ、ハハ。国光おはよ…」


チェリーは引きつった笑顔で挨拶をした。
…が、手塚はチェリーの隣に腰掛け椅子に座る。


(不機嫌だ…)


チェリーは自分の失態に額に手を当てた。
ちらと柚咏を見れば彼女も硬直している。



「質問に答えたらどうだ?どうせ生徒会関係だろう。」


(これは…逃げられないわね。)


「分かったわよ。どうして国光には分かっちゃうのかしら?

今週の金曜日、立海に行って会計について話し合ってくる。んで!そのまま一泊して仕事してくるから、うちの電気ついてなくても心配しないで。」


仕事…という言葉にひっかかったのだろう。
その単語が出た途端、手塚は眉をひそめた。


「悠利はどうする?
うちで見なくていいのか?」


「大丈夫よ。ユウも連れて行くから。
あの子、立海のテニス見たい!って言ってるし、それにね。私もユウも部活諸々で忙しいから、こんな機会でもあの子と一緒にいれたらなぁって思って。」


そう手塚に説明するチェリーを柚咏は単純に凄いと思った。

手塚に迷惑をかけられない――そう言っていたのに、彼女の言葉にはそれを感じさせるものが一つもなかった。

相手への配慮ができる優しいチェリー。


柚咏はそんなチェリーの本質を知る数少ない人間の一人だ。


「分かった。金曜日は公欠にしておく。
任せて悪いな。」


「何言ってるのよ。
会計は私の役割だもの。
国光も私がいなくて寂しいだろうけど、家事頑張ってね!」


からかうように笑うチェリーに手塚は不思議そうに首を傾げた。

(こういうとこ可愛いわよね、国光って。本人無意識だけど…)



「なぜ家事なんだ?」


この言葉にチェリーは目を丸くした。


「えっ…聞いてないの?今朝、おば様が『金曜日から夫婦旅行なの!』
って楽しそうにおっしゃってたんだけど…。」


手塚はまた不機嫌な表情をして前を向いた。


「俺は聞いてない。」


チェリーも柚咏も、これは苦笑するしかない。
いかにも手塚の母、彩菜がやりそうなことだ。



チェリーが彩菜の弁解をしようとしたところで

『席に着け〜』

と、担任が来てしまったためそこで会話が終了した。


(おば様ごめんなさいっ!)


彩菜のイタズラに水をさしてしまったとチェリーは心中で謝った。



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