きみが愛しい。
□きみの声
1ページ/5ページ
「たーいーちー…」
「おっ、おい空!それだけは勘弁しろよ!」
「だめ、今日と言う今日は絶対逃さないんだからっ!」
八神太一、只今生命の危機を感じるぜ。
彼女である空に追い詰められ、今日は容赦してくれないらしい…
折角空の家に遊びに来たのに、楽しいの何のって。
原因は耳かきだ、いつも空も気になっては居たみたいだけど
今までは全力で断ったところ注意するだけだったが、それも今日はあっちも全力だ。
「この間注意したのに、まだやってないの?」
「んなこと言ったって…別に、そんなにねえよ」
「あるわよ!それにどんだけやってないと思ってんのよ?」
「…」
身の危険を察した俺は再び空から逃げようと後ずさるが、腕をガッチリ捕まれる。
そしてニッコリと微笑んで、俺を見る
「第一、自分でやれなくてもやってもらえばいいじゃない?」
俺はそのまま空に膝枕され、少し嬉しいけど身の危険を感じるには変わりはない。
「それは…」
「それは?」
「……ぜってえ笑うなよ?」
「笑わないわよ別に」
「………ら…な……だよ」
「え?聞こえないわよ」
あまりに小さな声で呟く俺に、空が再度聞き返してくるから益々恥ずかしくなった。
そして耳まで真っ赤にして、空と目が合わないように目を泳がせる
→