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□あの青い青い空*前編*(オリジナル恋愛小説 )
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西暦3000年。もう数百年前に地球が滅んだ。もちろん地球温暖化のこともあるがある生物の襲撃があったからである。
『敵の襲撃です。危険レベルは4!パイロットのみなさんは攻撃の準備をお願いします!!』
施設内に警報が響き渡る。それに合わせ武装した人々がすれ違う。
「....ふう」
施設の中にある一室には立派な軍服をきた少女がベットに腰を下ろしていた。
特徴のある蒼い髪に黒い目、その容姿に合った細い体。彼女はここのパイロットの花崎 蘭(はなさきらん)。
『花崎。早く戦闘機に乗りなさい。敵が迫っています』
放送の声に花崎は顔を上げ立ち上がる。一つ背伸びをすると近くにあったヘルメットを持ち部屋を後にする。
廊下はとても混雑していた。花崎は自分より大柄な人たちと肩をぶつけ合いながら戦闘機のもとへと急ぐ。進もうとすると人に押し返される廊下を苦戦しながら抜けた。
「遅いぞ、花崎。時間は守れといっているはずだ」
さっきの放送をながした声の持ち主だ。水色の長い髪を後ろで一つに束ねながらも花崎をにらみつけた。
「すいませんでした長官!!」
長官。そう呼ばれた彼はパイロット隊のリーダー星山 ヒカリ(ほしやまひかり)だ。厳しいことで組織のなかでも有名だった。
ー組織ー。ここは人間を襲う生物を倒すために育成された『パイロット』の総本部。通称『ライト』。現在は数十名のパイロットと数百名のサポーターで成り立っている。
「まぁ、まぁ。星山さん説教はそこらへんにしてさっさと行こうぜ」
「孝樹。お前な....」
「ほら、早くしねぇと殺れるぜ」
星山はため息をひとつだすと自分の戦闘機へと向かった。
花崎は敬礼をやめるとヘルメットを着ける。
「よかったな。俺のおかげで短く済んだ」
お礼を言えとでも態度でこちらを見る。
「どうもありがとう。外崎孝樹(そとざきこうき)くん」
「棒読みかよ」
まぁ、いいけど。と言うと自分の赤い髪をかきながら歩き出す。
「あ、そうだ。」
外崎は花崎に言い放つ。
「“生き残れ”生きてまた会おう」
彼は戦闘機に乗る前に必ず言う言葉だ。
何が怖いのか?何のために言っているのかはよく分からなかった。
花崎は戦闘機に乗り込み装備の確認に入る。
『敵がシールドを破るまであと38秒!戦闘機及びパイロットのシンクロ率すべて良好。発車準備!』
花崎はアクセルに足を置きレバーを握る。
『カウントダウンを開始します。3,2,1!GO!!』
放送の掛け声に戦闘機が一斉に発車する。
それと同時にシールドを破り侵入してくる敵。
『戦機全体に告ぐ!敵の数は5体、レベルが4から5へ変更!全員気を抜くな!!』
星山の声が無線から聞こえる。それに応えるようにパイロット全員の返事が響く。
ミサイルでの攻撃が続く。敵も負けまいと反撃してくる。
「くっ....」
敵の攻撃が花崎の戦闘機にかする。体制を少し崩しながらも攻撃を続ける。花崎は攻撃型のパイロットであるため避けることやシールドを使うのがあまり上手くはなかった。
「こ、のぉぉぉぉ!!」
花崎も負けずに攻撃をする。花崎が放つミサイルが敵に的中する。
敵が力尽き砂に変わる。
肩で息をしながらミサイルの補充を行う。その横でも戦闘は続いている。一時の安心なんてない。
そんな世界でおこる一つの奇跡と恋の話が今幕を上げる。