☆日一小説2☆

□アザレア
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好き


嫌い


好き


嫌い








ひとつ、またひとつ
手から花弁が落ちてゆく


まるでそれは、君のよう…














よく知りもしない
あるのは、好奇心…それだけ
ただ何となく魅かれて、気付いた時にはもう自分の手の中にあった。



「花とか、俺似合わねぇ…ι」




きっとむしゃくしゃしてた所為だ。
最近会えなくて、会いに行きたいけど、予定と時間が合わなくて…今日だって、本当は合いに行くつもりだった。


「仕方ないよなぁ、隊長だし…」



いつも訪れるたびに思う、疲れた表情
山積みにされた書類
…俺には分からない、象形文字みたいな字体
もどかしいけど、傍にいたくて…。


仕方ないんだ。
隊長格の人間がそう自分みたいに暇な訳が無いし、むしろ恋人同士になれたことですら、奇跡に近いんだろう。
本当だったら、自分はただの人間で
縁なんか何もなくて
会うことですら、適わない
そう考えると、自分はきっと他の誰よりも…あいつに近いという意味で恵まれている。



(…帰って課題でもするか、)




いつまでも道の真ん中で立っていることに
何故か悲しくなって、重い足を引きずるように歩きだした。
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