☆神様からの贈り物☆

□ドウシテ、君ニ恋シテシマッタノダロウ…
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初めて冬獅郎に出会った時の衝撃は今でも忘れられない。だってホントに初めてな感覚というか…衝撃というか…全身に電流が走ったみたいに痺れた感じがした。



初夏の緑を思わせるような綺麗な宝石みたいな翡翠色の瞳に光を浴びた雪の様にキラキラと輝く白銀の髪。そして瞳や髪に負けないくらい綺麗に整った作り物かと思うくらい完璧な顔立ち。
世の中にはこんなにも綺麗な人間がいるのかってくらい綺麗で…正直、恐いくらいだった。



再び冬獅郎と会ったのはたまたま四番隊に治療を受けに行った時だった。同じく怪我の治療に来た乱菊さんと一緒だった冬獅郎とバッタリ会った。


「旅禍か…」


チラリと俺の顔を見て、名前ではなく『旅禍』と呼ぶ冬獅郎の顔には何の感情も感じない。そりゃそうだよな、前にチラッと顔を会わせただけだし…こんなの当たり前な態度だって解ってたがツキリと心が痛む。




−−そんな目で見ないで…そんな声で…俺を呼ばないで…



嫌な汗が背中を伝うのが解る。おまけに心臓が痛いくらいドキドキしてる。


「隊長、今日も雛森ンとこですか?」
「…あぁ」


何処かに向かおうとしていた冬獅郎に気付いた乱菊さんが声をかける。


−−ひなもり?



不思議そうな顔をして2人を見ていた俺に気付いたらしく乱菊さんは「あぁ、あんたは知らなかったわね」と独り言の様に呟くと俺に向き直り「雛森ってのは例の藍染がいた五番隊の副隊長でウチの隊長とは幼なじみなのよ」…と、説明をしてくれた。



「あぁ、そうなんだ」と相打ちをしながらも視線は俺達の会話なんて全く興味が無いという感じでゆっくりと離れて行く冬獅郎の姿を追う。
『ひなもり』とかいう冬獅郎の幼なじみが居る病室の扉に声をかけながら入る。中から「日番谷くん」と何処か弱々しい声で答える女の子の声が聞こえる。そうか…幼なじみは女の子なのか。


耳をすますつもりは無いのに扉の向こうから微かに聞こえる冬獅郎の優しい声とクスクスとくすぐったそうに笑う少女の声が俺の耳の中に入ってくる。


聞くつもりなんて無いのに意識がどうしても冬獅郎が入って行った病室の方に向いてします。


…何だろコレ?俺、何処か悪いのかな?さっきから冬獅郎の姿や声を聞いてると息苦しいくて胸が痛い。


「−…一護?聞いてる?」


自分を呼ぶ声で思考の世界から引き戻され俺はやっと現実に戻り目の前に立つ乱菊さんを認識する。


「あっ、ごめん!ボケッとしちまった。え…と、何だっけ?」


乱菊さんと話をしていたのに冬獅郎に気を取られて思いっきり無視をしてしまった…。「まったく」と、ため息をつきつつ呟きながら乱菊さんは怒る事はなく呆れた顔をして俺の顔を見ていた。


「ごめん…」
「別に良いわよ」


シュンとした顔の俺に苦笑いをしながら頭を優しく撫でてくれた。
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