☆日一小説☆
□時の流れ
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「…初めまして、黒崎一護だ。よろしくな冬獅郎!!」
揺れる橙色
愛しさと驚きと共に…
あの日の思い出が込み上げた。
死神とは全くもって哀しいもので、長い時の中で生活している所為なのか「時の流れ」という感覚が無いに等しい。そんな、よくある時の中で俺はあいつに出逢った。
…あの日は確か、珍しく現世での任務を言い渡されて、隊長格が何故?と頭に疑問が飛び交ったが命令とならば別。俺は虚を倒し、狙われた魂魄をすぐにソウル・ソサエティに送った。
隊員たちを戻らせてから俺は少しだけ現世に残る事にした。いつも真面目に働いているのだからこれくらい許されるだろう、そういう考えだった。
…時間はあっという間に過ぎていってそろそろ戻らなければ、と来た道を戻る。…その途中大きな川原を見つけた。川に映る夕日の橙色と、それに同色するように並ぶ鮮やかな橙色の髪…
無意識のうちにそいつに近づいていて…
「……何やってんだ?」
無意識のうちに声をかけていた。