☆日一小説☆

□素直な気持ち
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  っ…なんで

       
      わかんねぇよ、冬獅郎…!!









…その日も普通だった。学校が終わって、俺は最愛の恋人に会いにソウル・ソサエティに足を運んだ。
十番隊の道は、冬獅郎のおかげで迷わず行けるようになって、またいろんな奴に声をかけられる。軽く会話を交わして、執務室に向かった。




「こんにちはー」


「あら一護、よくきたわね〜。」


「乱菊さん、こんにちは。冬獅郎は居ないんですか?」


「あぁ〜…ちょっとね。」


「?、何なんですか?」


「…実はね、一護。」













「ハァ…ハァ……!!」


隊舎を出る前に聞いた乱菊さんの声が蘇る…。




『藍染の件で、重症を負った子がいてね…。その子、隊長の幼馴染なの。まだ意識も戻ってなくて、隊長毎日見舞いに行ってんのよ…』


(っ…何で。)


俺が向かったのは四番隊。そこの一番奥の部屋に…冬獅郎はいた


「…とぅし「雛森…」っ…」



かき消された俺の声。あいつの耳に俺の声は届かなかった。


「…すまねぇ…。」



ふと泣きそうに歪んだ顔…。冬獅郎の拳がギュッと強く握られたように見えたのは俺の気のせいだろうか…。
…結局、あの後冬獅郎に声をかけずに部屋をでた…。



(…っ…。)



冬獅郎のあの表情が蘇る。弱い自分を悔いる表情、大切な存在を無くしてしまいそうな恐怖…。幼かった頃の自分と全く同じだ。



(俺は…)



分かっている。あいつはただの幼馴染で、家族のような存在…。頭では分かるけど…
なにも言ってくれなかった冬獅郎を思うと、それなりに心は痛んだ。
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