☆日一小説2☆

□紡いで、繋いで
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「なぁ、一護」


「んー?」


「人と人との繋がりって、どういうことなんだろうな、」


「…え?」





ポロッ、と口へ行く筈のチョコが落ちる。

執務中の冬獅郎は突発に何かを言い出す。
今は少し慣れたけど、初めはどもったり、曖昧なことをしか言えなかった…。
仕方ないだろ?俺も最近になって気がついたこと。…最近と言っても、俺達が付き合い始めてからのことだけど





「また難しいこと聞きますね冬獅郎サン、」


「…お前に『さん』付けされるとこうも気持ち悪いとはな」


「ちょ、酷くね?最初の方は隊長付けろだの煩かったくせに」


「最初は、な…でも今は必要無ぇだろ?」


「何で?」


「今は恋人、だからな」


「…んまぁ、確かに。」





冬獅郎は凄い
見た目は子供でも(死語)俺より何倍もの時間の中を生きている。その分経験も豊富な訳で、人間の俺に聞かれることと言えば…現世についてぐらいだ。





「人は、あたり前だが老いていくだろ?」


「あぁ、」


「よくよく考えてみろ、そんな短い間に自分のいた証を残しておくことなんて、極限られた人間にしか可能じゃない。」


「…確かに、」


「だろ?相手の記憶に刻み込ませることだってそう簡単じゃない。死んだら終わりと考える奴も、俺はいると思う。」


「…、」




なんか、もの凄く難しい話をされているような気がする。冬獅郎の言ったことを整理して、慎重に言葉を紡ぐ。



「えっと…俺には、そんな難しいことよく分かんねぇけど…たぶん、繋がりって、『絆』だと、思う…。」



「絆・・・?」


「つまり…なんて言えばいいかな、」




僅かに眉間に皺を寄せ、ハテナマークを浮かべる冬獅郎に、俺はもっと分かりやすい方法はないかと考える…、と、昔聞いた迷信を思い出す。




「た、例えばコレ!!」
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