☆日一小説2☆
□Anniversary
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目の前を通る、色とりどりのコートと
幸せそうに道を歩く人々
現世で一護とのデートは久しぶりだ
いつもは俺に合わせて尸魂界でのデートが圧倒的に多い。そんな一護の優しさに俺は益々惚れさせられるが…、
…けれど今日は特別
何故なら、今日は一護と俺の記念日だからだ
信号待ちならぬ一護待ち
時間丁度に着いた俺は、俺と一護専用の携帯式の伝令神機をとりだそうとした
「冬獅郎ぉー!!!」
向かいの通りから走ってくる、一護
時計を見てみれば、待ち合わせの時間から5分が過ぎていた。
「ごめん!!!何着ていこうか迷ってたら、遅れちまったッ…」
息を切らし、手を合わせ申し訳なさそうに見上げる一護…
正直、その理由が何とも可愛らしくて、どことなく愛おしさが込み上げた。
「いや、俺も丁度着いたところだ」
「え!?あっ、よかったぁー…」
「そんな慌てなくたって、置いてかねぇよ」
「ち、違くて、その…冬獅郎に呆れられたくなかっただ、け…//」
嗚呼、なんだこの可愛い生き物は!!//
そんな理由を聞いただけでも嬉しく思っちまう自分が、かなり重症だと気づかされる。
走ってきた一護よりも早く波打つ心臓を誤魔化し、落ち着かせながら先を行く
「おい、早く行くぞ」
俺がそう言い聞かせると、一護はパタパタと走り寄り…
ギュッ
「一護…?」
「きょ、今日ぐらいは…///」
手を、繋いできた
いつもは恥ずかしがってやろうとしない一護が、俺の手をギュッと掴み真っ赤にしながら俯いている。
「…たくっ、これ以上惚れさせるな」
「そ、そんなつもりねぇ!!!///」
「じゃあ確信犯か?心臓に悪いな」
「っ…///今日だけだってば!!!」
すると今度はスタスタと先を歩いて行っちまった。
でもそれは途中たくさんの人混みによって阻止され、流されそうになっている一護の手を、今度は俺から掴んだ。
「うわ…」
「たくっ、俺から離れんじゃねぇよ」
ギュッと強く握れば、途端に恥ずかしそうに、でも嬉しそうに笑う
その光景がやたら眩し見えて、思わず目を細めた