☆日一小説2☆

□筋書きだって。
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「なぁ、冬獅郎。」


「日番谷隊長だ!!…ったく、何度言ったら分かるんだお前は。」





ルキアに言われて、また今日もここに訪れてしまった。正直言って、最近は学校にいても冬獅郎のことしか考えられない。頭に入ってこない。
盗み見た冬獅郎の姿と一緒に映った机には、何枚かの書類と、入れられたばかりで湯気の立つ湯呑が置いてあった。
乱菊さんはまたサボっているんだろう。
執務室には、それを呆然と見つめている俺と冬獅郎のふたりだけ。…その空間が、何故かとても落ち着いて、やけに愛しさを覚えていたのに、今は俺を焦らせるだけになってしまった。




「…なぁ、なんで下の名前呼ばせてくんねぇの?」


「示しとけじめだ。死神代行に呼び捨てなんて、俺の立場が成り立たねぇだろ。」


「…ケチ、冬獅郎のアホ」


「煩ェ、この暇人が。暇さえありゃ此処きやがって」




未だ気持ちは晴れないまま、答えを探すように…俺はここに来る。
あと何度来れば、こいつのこと…分かれるんだろ。あと何回呼べば、俺のこと見てくれるんだろ。…あと何回お前のこと考えれば、俺の気持ち、伝わるんだ?



「遠いよな、ほんと…」


「?、何がだ?」


「…壊したくない、離れたくない。だけど…好きだって言いたい。」





世間とか、決まりだとかお前を縛るもの全てこの世から消えれば、俺を取り巻くこの気持ちからも解放されるのかな…。

お前から向けられた言葉のひとつひとつの意味だって、知ることができたなら…




「黒崎…?」


「…冬獅郎にその気持ちを、分かって貰いたかった。」








…そしたらお前を、もっと純粋な想いで見ていられたのに。








END→あとがきぃ☆
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