★小ネタ☆

□縛って、この想いを
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初めて見たのは地獄の底
その異常な姿を見て、黒く歪んだ感情が芽生えた。




こいつを利用してやろう
こいつの力が俺を自由へと導く



…そう確信した。
そのために、俺はその情報を他の奴らに流した。
流し、あいつを地獄に来させる為に


妹をさらい
仲間に成りすまし
そこであいつの暴走を起こす




揺らぐ筈がなかった。
何度もクシャナーダに喰われるうちに身についた頭脳と知識は、俺を繋ぐこの忌々しい鎖なんかよりも重く、信じられるモノだったから。


…なのに、それなのに、
俺はこいつに心を奪われちまった

俺を信じると言って見上げたブラウン色の瞳には光が満ち、周りには頼れる仲間がたくさんいた。







羨ましかったんだ、欲しかったんだよ、お前が



(…一護ッ)



鎖に呑み込まれる寸前、初めてお前の揺らぐ瞳を見た。



「黒刀……」



嗚呼、そんな顔で俺を見るな
お前を裏切った挙げ句…、惚れちまった奴のことなんか



『ありがとな、一護…』


驚いたような、でもとても切なそうに表情が歪む
本当は…お前の苦しむ姿なんか、見たくは無かったんだ。



「黒刀オオオー!!!」








ごめんなァ…一護


俺にもしまだ許されることがあるならば
最後にもう一度、お前に触れていたかった。








END
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