☆パラレル小説〜旦〜☆
□Time that doesn't stop
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幼い頃に芽生えた恋…、だがそれと同時に別の感情も芽生えた。
教師や生徒…ましては他の親たちが一護に話かけ、頭を優しく撫でたりする…。何とも微笑ましい光景だったが…、俺にはその光景が見てられなくて、自分でも分かる程俺の中で少しずつドス黒い感情がフツフツと煮え数を増していった。
俺の一護に気安く触るな、
それは間違いなく他人に対しての「敵視」で「嫉妬」だった。
初めての恋は、自分の中に眠っていた、いろいろな感情に気づかされた恋だった。
キーンコーン―…
昔の記憶にふけっている俺の耳に、僅かにイスを引く音と、チャイムが鳴り響いた―…
「冬獅郎ー!!一緒に帰ろうぜっ♪」
「あぁ、今行く。」
授業も無事終わり、放課後の教室に一護が顔を出す。部活に入っていない俺たちは、毎日一緒に帰っている。
荷物をまとめていながらも、背中にひしひしと伝わってくる羨ましがるような視線。
この時だけは何故かとてつもない優越感に浸れる。
(ざまぁみろ。)
そんな視線とオーラを残し、俺は一護と共に教室を後にした。
「でな、冬獅郎っ♪」
帰る途中でも、一護はその日あったクラスの話しをよく俺に話す。適当にあいうちをつきながらも、俺は一護から目を離さない。
…否、離せない。
「〜なんだけど、冬獅郎はどう思うんだ?」
「え!?あ、あぁ…いいんじゃねぇか?」
「そっかー♪」
夢中になりすぎて、話が耳に入ってこなかった。適当に答えちまったけど…正解だったようだ。
(…末期だな。)
そんな自分に嫌気がささないのが堪らず可笑しくて、妙笑してしまう。
「?、冬獅郎、どうかしたか?」
そんな俺を疑問に思ったのか、一護が首を傾げながら訪ねてきた。…その動作がやたらと可愛くて、心臓が大きく脈をうつ。
「なんでもねぇ、ありがとな。」と俺が返事を返すと、一護もまた嬉しそうに太陽のような笑顔を見せた。