Dear....

□誰が一番?
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【Who is the best his partner?】
〜いちばんはいったいだれ?〜





かたや、入学当初から今まで全国制覇を誓いあった部長、副部長コンビ。



かたや、コンテナの上で反省会。お互いを信頼しあう唯一無二の存在、ゴールデンペア。


さて、大石くんのいちばんはいったいどっち?



「俺に決まってるっしょ!」

ゴールデンペアが一番だと、自慢気に菊丸は言い放った。

「俺と大石は3年間を共に過ごした。…大石のベストパートナーは俺に決まっている。」

大石と過ごした年月ならば、俺も負けてはいないと、手塚が眼鏡を光らせ、菊丸に立ち向かった。



「むーうっ、手塚なんか大石とデュエットしてないくせにぃ!」

「お前こそ、大石のアルバムにゲストとして呼ばれ無かっただろう」

「それは手塚もでしょ!?」

「俺は、大石に推薦されたが。」

「…む、む、むー!!」

最早、どんぐりのせいくらべ。お互いに一歩も退かない甲乙付けがたい口論である。

しかし、そこへ。

「ちょっと待ったぁあ!!」

「な、なにぃ!?」

「…なんだ」


「あたしのことをお忘れじゃないでしょうね!?」


颯爽と現れた少女は、二人に向かってこう言い放つ。

「あたしはね、3年2組の副委員長!大石くんとは、3年間同じクラスで、3年間委員長、副委員長コンビだったのよー!!!」








「…うん、ごめん。微妙。」

「…その登場だと交際をしているの方がインパクトはありそうだな」

「こ、交際してるって言っちゃったらっ、あんたらの面目が無いでしょーがっ」

少女の発した言葉は虚しく散る。

「ていうか、片 思 い!あんたらと一緒だし!」

「そこっ、一緒にしなぁあい!」

「俺と大石は両 思 いだ」

「はい、そこ。あからさまな発言は取り敢えず控えましょう」

「そうそう!手塚には跡部とかおチビとかがいんじゃんっ」

「そこもね、止めてね。あからさま過ぎ。そしたら夢主人公なんて相手いっぱいいすぎて困るっつの!」

「それはそうだ」

「だって、それが役目でしょ」


「下手したらあんたらとも恋愛せねばなんないのよー!?あたしは大石一筋なのにぃい!!!!!」


「呼んだ?」

少女が叫んだその時。
天然ぶりを発揮しながら現れたのは。

焼肉奉行こと、大石秀一郎、その人だった。

「お、大石ぃい!?」

「む、大石か」

「きゃー!大石くーんvv」

「お前、キャラ変わりすぎだし」


「やぁ、英二に手塚に……副委員長さん」

「………ねぇ、大石」

「どうした、英二」

「大石って、もしかして副委員長の名前知らないとか?」

「え、あ、ううん。知ってるけど言っていいのかな、って。」


「くはぁあ!!ダメ、ダメよ、言っちゃったら!!ここは変換、出来ないんだから!」

「変換出来ない場合はどうなるのか知ってんだ?」

「そんなん、百も承知よ!?何年あたしが夢主人公やってると思ってんのよぉお!」

「大石ー、俺、コイツの名前知らないからさ、教えてー♪」

「Σぎゃー!!!!やめぃ、この妖怪ネコ男ぉお!!」

「なにぃ!?もう怒ったっ!!!大石、遠慮なくばーんって呼んじゃって!」

「え、え!?いいのか?」

「いいだろう」

「久しぶりに喋ったと思ったらっ!?」

「…え、あ、うん。








名無しさん。」


「言っちゃったー!!!!
大石くん、言っちゃったぁああああ!!!!

…あぁ、もう、あたし、立ち直れない…!!」

「え?ご、ごめん…!!!」

「大石、きにしない、きにしない!名無しさんもねー♪」

「……こんにゃろ」

「名無しさん、残念だったな」


「ぶはぁあ!畜生、もうあんたらとなんか恋愛してやんないからねぇえ?!」

「死んでもゴメン☆」

「全くだ。」
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