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□目が離せない君だから
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練習が終わり、夕飯を終え、風呂も入って、部屋でゆくっりしようかと円堂が思っていたその時不動が呼びとめた。
「円堂明日付き合えよ」
「いいけど、珍しいな!不動から誘ってくるなんて」
「…別になんでもねぇーよ」
普段は一人でいることが多い不動が誰かを誘ってどこかへ行くことなど、皆無に等しい。
だからこそ自分を誘ってくれたことが嬉しくなって円堂はOKを出した。
次の日、不動との待ち合わせの場所に円堂はいた、不動はまだみたいだ。
ちなみにこのときの円堂の服装はジャージではなく、オレンジのノースリーブのパーカーに黒の短パン(といっても膝上ぐらいのもの)手首には黒のリストバンド、いつものヘアバンドは外していた。
「不動まだかなぁ…」
「ねぇ君一人でなにしてるの?」
「?」
不意に顔を上げると見知らぬ二人組の男が目の前にいた。
「君かわいいねぇ、今から俺等とお茶しない?」
「え?でも、人を待ってるんで…」
「いーじゃんいーじゃん!そんな奴ほっといて行こうよ」
腕を掴まれて男たちに連れて行かれそうになったその時だった。
「ソイツから汚ねぇ手離せよ」
「不動!」
不動が男たちに睨みをきかせると、男たちは怯えて走り去って行った。
「ありがとう不動」
「お前は目を離すとすぐこうだからな…ほら、手出せ」
「ああ!」
差し出された手がとても嬉しくて、不動は悪い奴とチームでは思われているが、本当は優しくて不器用なだけなんだと思った。それを知るのは恋人である自分だけなのだが。