らぶマニア
□おめでとうをキミに贈ります。
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受験も終わって、後は卒業を待つだけとなった2月中頃。
菊池葉月は無事進学を確定させたにも関わらず浮かない顔だ。
「はあああ……」
大きな溜め息。
たった2、3分でこれが4度目になる。
余りにも辛気臭くて友人が顔をしかめた。
「葉月ぃ、あんたウザイねんけど……」
「ウザッ? 酷いわ〜」
「何が酷いんよ。 受験も無事に終わって、後は卒業を待つだけって時に辛気臭くてたまらんわ」
「だ、だって……」
葉月は口をへの字に曲げる。
確かに卒業までのんびり過ごせる今こそが一番楽しい時期かもしれない。
しかし葉月は、どうしても卒業したくない理由があった。