監獄の中へ
□不思議な贈り物
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「…………にしても、明らかに量が多すぎるぞ。」
俺は箱に入った大量の紅葉まんじゅうを見て、ため息を付いていた。
その数は、大体50個程であった。
「……オレと分け合っても多いし、第一ボリス、甘いものはあまり好きじゃないんでしょ?」
困ったような顔のコプチェフ。
「そうなんだよ、問題はそこだ。」
腕を組みながら頷く俺。
「じゃあ、誰かに分けようか。」
思い付いたように言うコプチェフ。悔しいが、頭が回るのはコプチェフの方だ。
その後、誰に分けるかを悩みに悩んだ。やがて、コプチェフが口を開いた
「甘いのが好きなカンシュコフ君とプーちゃんに分ければ良いんじゃないかな。」
確かにカンシュコフは甘いものに目が無いので、彼にあげるのは妥当だろう。しかし、もう一人の「プーちゃん」の方が分からず、コプチェフに聞いてみた。
「なあ、「プーちゃん」って誰の事だ?」
「え?プーチンの事に決まってるじゃないか。」
…ああ、あの赤いの(キレネンコ)に付き纏ってる緑の奴か。…って、
「ちょっと待て。お前らいつからそんな関係になったんだ。」
「え?プーちゃんが投獄されてから。」
「そうか…何なら良いんだが。」
うたぐり深い目を向けたが、コプチェフはそんなことなど気にしなかったようで、少し落ち込んだ。
「あれ?ボリス、何で落ち込んでるの?」
「…何でもねぇよ。それより、まずはプーチンの所に配りに行くぞ。」
「あ、うん。」
俺らは支度をして、監獄に赴いた。俺らはとんでもない見落としをしている事に気付かずに。