監獄の中へ
□不思議な贈り物
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そして、自由時間中の監獄。俺らはプーチンと赤いのがいる部屋に来た。
コプチェフはプーチンと仲が良いらしいから、彼にノックをしてもらう事にした。
トントン。
「はーい。カンシュさん?」
鉄の扉の向こうから、プーチンと思しき声が聞こえた。中にいるようだ。
「オレだよ、プーちゃん。」
どうやら声だけで認識出来るらしい。くそっ、そんな関係になってたのかよ。
「あれ、コプチェフさん?どうしたの突然。」
「いやぁ、ちょっとプーちゃんに用事があってさ。相方の人、いる?」
「ううん、キレネンコさんはお買い物だよ。ま、いいや。どうぞ。」
そういう声が聞こえると、扉が開いた。そこで、俺達は中に入って行った。
部屋に入ると、なるほど、本当に赤いのはいないようだ。
「それで?僕に用事って?」
入ってくるなり、プーチンはコプチェフにそんなことを聞いた。
「いやね、実は……カクカクシカジカ。」
コプチェフが事細かに事情を説明した。
「……なるほどね。そういうことか。良いよ、有り難く貰っとくよ。フフッ、キレネンコさんにもあげよう。」
プーチンはそういうと、嬉しそうに紅葉まんじゅうを10個受けとった。
……多分、赤いのは食べないと思うが。
俺は、コプチェフ達の話が終わるまで、ずっと空気のような存在だった。
残る紅葉まんじゅうは40個。次に、俺達はカンシュコフが仕事が終わった時を見計らって、彼の詰め所へ行った。