番外編
□poltro
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任務帰りの朝7時過ぎ。
まだ寝ている奴もいれば起きだしてくる奴もいる。
まあ、兄貴は例外だ。
こんな時間から起きだして毎朝邸内をふらふらしている。
…はずなのだが。
その兄貴が見当たない。
いつもこの時間帯はウロウロしているが、
気配を消しながら、など面倒なことはしないはずだ。
どうしたんだ。
発作でも起こしたのか?それともついに死んだか?
いやいや、オレが言うのもアレだが兄貴も大概丈夫だ。心臓以外は。
しかも長年病院生活をしていたから骨の髄まで規則正しい生活が染み込んだとこの間豪語していたのだ。
多分そのへんにいるんじゃないか。
…しかしその不安要素は拭えないどころかどんどん膨張していく一方だ。
「…チッ、ああクッソ…」
小さく舌打ちをし、疲れた体に鞭を打ち踵を返す。
ドアを4つほど戻る。
赤いドアプレートが目印の兄貴の部屋。
「う゛お゛ぉい!!兄貴!生きてんのかぁ!!?」
がさつに2、3度戸を叩き、そのまま蹴破る。
部屋は薄暗い。
当の兄貴はデスクに向かっているわけでもなく、
風呂の方から水音もしないことからシャワーでもない。
…ベッドに目をやると不自然に丸くなった毛布。