番外編

□poltro
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「あっはは、そりゃ悪いことしたなぁ!」


布団から頭を出した兄貴は元気よさそうに笑った。



「そーかそーかスペルビ心配してくれはったんかー
 でも兄ちゃんが極度の寒がりなん忘れたかぁ?」

「…、あ」

「この時期寒いけ布団から出とうないんやもーん」



そのまま仰向けにベッドにまた倒れこむ。

オレと同じように長い銀糸が淡い色のシーツに広がった。



…なんだ心配して損したじゃねえか。



「ったく、あんまり人に心配かけさせんじゃねえぞぉ
 …このカオ●シ擬き」



ため息混じりに吐き捨てる。



「ちょ、お前我が兄ちゃんに向かってそれひどない?
 腐ってもオレはお前の兄貴やで!?」



ちょっとショック受けたような声。



「うるせぇ布団剥がすぞ兄貴!」



布団剥がす発言には驚いたらしく、兄貴は起き上がった。

その兄貴がきつく握り締める毛布に手をかける。




「いやああああーここに変態がおるうううおまわりさああああん!!!」

「きめえ声出すなぁ!!」

「きゃあああー」

「しつけえ」

「いだっ」



剥がそうとする度気持ち悪い声で叫ぶ兄貴の頭を叩いた。

まあこれだけ元気なら兄貴はしばらく死にそうにねえな。



安堵して部屋に戻ろうとした、が、背後にもう一人分の慣れた気配。





「…ねえふたりとも、うるさい…」



睡眠を邪魔されたらしい弟が立っていた。
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