君の

□第二章
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 ×××

「いやぁ〜、いい天気だねぇ。」

「え、先刻から雨すごいのに?雷まで鳴ってるよねェ!?」

「細かいこと気にしてると、将来禿げるよ?」

「細かくないよ!!?」

「もぅ〜、五月蝿いなぁ。静かにしないと、
その髪毟り取っちゃうよ?」

「えええぇぇ!」


「…苛めるのも程々にしておけ。」

「はぁ〜い。」

壱クンに言われたし、だんだん飽きてきたから素直に聞く。

「苛め?苛めだったの!?」



俺、壱クン、壱クンの部下である藤木クンは車に揺られてある場所へと向かっているらしい。
あっ、『らしい』っていうのは場所を聞かされていないからだよ〜。

「ねぇねぇ、仙道 亮はこんな山奥に居るのかなぁ?」

2時間程してくると外の風景は木だけになってくる。

「ああ、ヤツが経営している学園があってな。金持ち共が通っている学園だ。男子校で、ホモ校とも言われている。」

「へぇ。なんだか愉しそうな薫りがするね。」






箱庭で暮らす、世間知らずな子供たち。
真っ暗な闇に突き落したら、どんな表情を見せてくれるんだろう。






「お前らしい」

「ふふっ、褒めても何もでないよぅ。」






……






「おい、起きろ。」

どうやら眠ってしまったらしい。壱クンに揺さぶられ目が覚める。

「ん゛ん〜…。着いたのぉ?」

頭いたいなぁ、寝すぎかな。

「行くぞ」





いつの間にか雨は止み、憎らしいほど太陽が燦然と輝いていた。



                                         
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