君の

□第三章
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寮監室から出て、自分の寮部屋へと向かう。


成績優秀者と生徒会は一人部屋だと、姫チャンが言っていたなぁ。
同室者が居なくて良かった。

至るところに装飾のされた廊下を歩いていると、エレベーターを見つけた。

カードキーを差込み、「7」のボタンを押すとすぐにドアが開く。

エレベーターの浮遊感に顔をしかめていると、エレベーターが二階で止まった。

誰かが乗るらしい。

ボーっと扉を見つめていると、扉の向こうの人物と目が合った。



灰色の髪に青い瞳、顔の彫りが深く、鼻筋はすっと通っている。
自分よりも背の高いその美形は、此方を一瞥しただけでさっさと乗り込んだ。




「すみませんが、お名前を聞いてもいいですかぁ〜?」


いきなり話し掛けてきた俺に、相手は警戒と、侮蔑の色を見せる。


「……なんだ、お前。」

「ただの通行人Aと思ってくださぁい。」

眉間にグッと皺を寄せ、唸るように声を出した。


「…俺を、知らねェのか?」

「はい、今度編入するのでぇ。」


一瞬の間が空く。







「…神代 邑(かみしろ ゆう)だ。」
















                                                               
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