オリジナル
□愛だの恋だの知りません。
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+プロローグ+
最後に君を見たのは何時だったかな。
全部背負い込む君を見て逃げ出したあの忌々しい日が最後かもしれない。
ぽつりと一言呟いた言葉は周りの闇に消えて行った。
あの日あたしの前から消えたアナタは今やすっかり人気者。
中途半端なあたしはもう近づく事さえ出来なくなった。
自業自得、あたしから避けて逃げて、
拒絶した。
今更君にアイタイ、なんて我儘かもしれない。
ううん、我儘。
弱いあたしの精一杯の強がりなんだと思う。
自分勝手な妄想に心臓が張り裂けそうになる。
いつも傍に居てくれた君は今ここに居なくて、
何かに溺れそうなあたしは今ここでもがいてる。
暗い、暗い闇の中で、君って言う光を求めてあたしは彷徨うんだ。
『…そーや、創也創也創也!!』
何度も何度も名前を呼ぶけど、帰って来るのはあたし自身の声だけ。
叫んでは闇に消えていく自分の声に不快感を覚えた。
感情なんていらないと思ってたあたしへの拒否反応。
寒い寒い雪のちらつく1月下旬
吹いた風はどこかあたしを嘲笑っているように思えた高校2年生
初めて人に温かい感情を抱いた冬。