その他
□【国崎出雲】
1ページ/1ページ
出雲は罰ゲームをしていた。
その指令は、菅原兄弟のどちらかに耳に息を吹き掛けろというものだった。
(お、松樹発見。…読書中か。ごめんな、松樹)
出雲は心の中で謝罪をすると、罰ゲームを実行した。
フッ。
「やっん…!何するんだ!兄貴……じゃない、メイド」
松樹は男とは思えないほどの高い声を出し、出雲はビックリしていた。
そして、今密かに噂されている菅原兄弟の関係を思いだし、出雲は納得した。
「…そっか。お前ら、前から怪しいと思ってたんだけど、やっぱりな。できてたんだな」
出雲は少しずつ松樹から目線をずらし、松樹から逃げるように走り出した。
いきなり、出雲が走り出したことに驚いたが、メイドが変なのはいつもの事かと、もう一度本を読み直そうとした瞬間、ガシリと首を後ろから腕で絞められた。
「松」
静かな声で呼ばれる名前に、松樹に恐怖心があらわれた。
できるだけ普通に松樹は言った。
「…兄貴、学校ではやめろよ」
後ろを振り向くと、怒り顔の梅樹がいた。
確実に怒っているのを確信した松樹はため息をつきたくなった。
「家に帰ったら楽しみにしてろ。腰が砕けるほど、抱いてやるから」
それはいつものことだろうが、と松樹は思ったが口には出さなかった。
もちろん、家に帰ったら文字通り腰が砕けるまで、足が立てなくなるまで抱かれたのは言うまでもない。
(なんで、そんなに怒ってるんだよ)
(あんな、エロい声を聞いていいのは俺だけだ。他の奴等に聞かせねぇぜ)
ー終ー
嫉妬梅ちゃん。
耳が弱い松。