イタダキブン

□君と 海と 空と
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夏休み最終日
新八は銀八と海へ来ていた



――正しくは「銀八”達”」となのだが



事の発端は一学期終業式の日
成績表も(欲しくは無かったが)受け取り
いつもの通りまとまりのないHRも終わり
いつもの様に新八は神楽と妙と帰ろうと支度をしていた時
銀八に呼ばれた
「何ですか?」
不思議そうに聞く新八をよそに
やたら周囲を気にする銀八
「あー…ここじゃなぁ…ちょっとこちこっち」
そう言って手招きするとぺたぺたと新八の前を歩き出す

教室から少し離れた誰も居ない場所まで来ると
立ち止まりようやく口を開く
「ええと…何だ…その…」
「?」
キョトン、としている新八と向かい合いながら
頭をがしがしと掻く銀八


「…夏休み…に、海に行かねーか…」


あまりに突然でしかも柄にも無く頬を赤くして言うものだから
新八もつられて思わず赤くなる
驚きのあまり新八は首をぶんぶんと振っただけだったが
それでも嬉しそうに銀八は「よし、決まりだな」と言った

が、その直後―――


「それは良いアイディアね。それじゃぁ新しい水着、買わないとね」


何処からともなく聞き覚えのある声
「あ…姉上!?」
いつの間にか妙がそこに居た
するとその背後から
「姉御が行くなら私も行くアルー!!」
と顔を出すのは神楽
「ちょっ…神楽ちゃんまでっ…!」
更に更に顔を赤くした新八に追い討ちをかける様に声がする
「じゃぁ俺も行くしかねェだろい」
と沖田
「お妙さんをナンパな野郎から守るのは俺しかいぐぁっっっ」
言い終わる前にいつもの通り妙に殴られ吹っ飛ぶ近藤
うずくまる近藤をよそに話は進む
「近藤さんが行くなら俺等も行かねー訳にはいかねーなぁ…なぁ?山崎」
不敵に笑いながら言うのは土方
やっぱり俺もなんですね…なんて泣きながらもどこか嬉しそうな山崎
「ひ…土方さんまで…」
もうこうなるとただただ笑うしかない新八


「お前ら…どっからわいて出たんだコノヤロー…」


肩を落とす銀八をよそに始まる
沖田vs神楽と近藤vs妙のケンカ(と言っても後者は一方的なものなのだけれども…
そして冷静にそれを眺めている土方と山崎

結局、銀八が折れて全員連れて行くことになった
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