話
□甘い、あまい。
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なんで、甘い？
わかんないけど
すごく あまい
甘い、あまい。
頭が重い。
体がギシギシと軋む。
重たい瞼をあけ数秒間
じっと天井を見つめた。
焦点があわねぇ･･･
「気がつきましたか？」
襖を開けて新八が入ってくるのを
目の端でぼんやりと確認する。
「あー･･･」
体を動かそうとするが、
鉛のように重く起き上がれない。
「ちょ、寝ててくださいよ！アンタ高熱出てんですから」
そうか
このしんどさは熱のせいか･･･
そっと額に冷たい手が乗せられる。
冷たくて気持ちいい
そういや前にも風邪でぶっ倒れたことあったっけか。
まだこんなにも騒がしくない万事屋で、
のんびりとジャンプ読んで
自由に甘いもん食べてた頃。
好きなことしても怒られない
俺にとっては過ごしやすい空間。
けど
病気ってのは、
どこからか寂しさを持ってきやがる。
熱だけにしろっての…
『 ぽつん 』
音が聞こえるのだ
世界に自分しかいないような音が
ぽつん と。