堕々文

□愛のカタチ
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「帰るぞ」
どうやら起きるのを待っててくれたらしい。
「今何時…?」
「7時30分だ」
7時30分…………
「あ〜!!」
「どどうした!?」
「………弟の事忘れてたけぇ…」
いやな汗が流れる。ってこの事言うんじゃね………って!
「弟?」
「今日、母親も姉貴もいないんじゃ。父親も残業のはず。弟は………鍵持ってたじゃろか………」
「それは大変でわないか!」
「はははは………」
ケータイを見ると……
「公衆電話からかなり電話きちょるけぇ……」
「早く帰るぞ!」
真田は荷物を持ち俺の手を引っ張り部室を出た。



「生きとるじゃろか……」
なんて不吉な事を考えてみたり……。
「当たり前だろう」
真田が呆れ顔で頭を撫でてくれた。
「真田」
「何だ」
「家寄って行かん?」
なんとなく真田を誘ってみる。
「構わないが……。どうしたんだ?」
「なんとなくじゃ」
真田の手を取り歩く。
「なっ!仁王!?」
「何じゃ?」
「手を………」
振り向いてみたら、真っ赤になってる真田。
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