頂物

□7日ぶりの再会
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「アイクッ!! 待て待て待て!」

いくら風邪は治ったとは言え、今は心地よい涼しさを纏う風が吹く朝………。
オレは風邪をぶり返す為に、遊びに来た訳じゃないんだからな!

「何だよ」
「落ち着け。…お前、ここが何処だか分かってるのか?」
「外」
「そう、外だ。こんな所で脱がされたら…オレはまた風邪引いちまう」

そこまで言うと、あれだけがっついていたアイクもそれなりに動きを止めた。

「また?」
「そうだよ。…別にオレだってこの一週間、会いたくなかった訳じゃないんだぞ。風邪で熱出して寝込んでたし。出ようとしたら捕まっちゃって…」
「風邪かよ。どれだけ心配したと思ってる、あんたに何かあったら…俺はどうすればいいんだ」

そう言ってアイクはふと悲しそうな表情でオレを見下ろした。

うっ。
…、お前もオレの事でそんな風に思ってくれてるのか。オレはちょっとお前の事を過小評価してたのかもしれない。
アイクってあっさりしてるから、そんなに心配しないのかも…なんて思ってた部分はあった。……けど違ったんだな。

これだけ求めてくれるのは、オレだって嬉しい事だ。
でも、でもな………。
着々と脱がす行為を続けているアイクの手を指ごと握り、動きを止める。



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