頂物

□7日ぶりの再会
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本当かよ。
気を遣ったつもりで結局は容赦なく…ってオチが待っているような。『一応』だもんな。
キレてるせいか今日のアイクは一味違うな、完璧に喰う前提で話を進めてるよ…!

「な、なぁ。やっぱりさ…一緒にいるのはいいけど、するのはやめない?」
「やめない」

やんわりと言ってはみたものの、あっさり一刀両断されてしまった。
ニヤリと口の端を上げるアイクの顔が普段以上に凶悪なそれになっている。今コイツの邪魔したら…それこそ暴れ回りそう勢いがある。

「それに早くあんたと繋がりたい」

聞いてて恥ずかしくなるような、直接的な事をさらりと言うなよ…!
…オレの顔が一気に熱くなった。
アイクはゆっくり身体を屈めて、もう一度オレにキスをしてくる。

「ま…っ、ちょ……っ…!」

今度は荒々しいものじゃなく、懐柔させるような優しいキスで。
お前って奴はズルい。流されちゃいけないって分かってるのに、流されてもいいかな…とバカな考えが頭をよぎってしまうじゃないか。
どこでこんな術を身に付けたんだよ。

「会いたかった」

そっと囁くアイクの声。恋しかったのだとアイクの声色が痛い程に伝わってくる。
あー……弱いんだよな、オレ。こういうの。
一週間ぶりだってのに、これ以上抵抗するのは可哀想……かな。

「…オレも会いたかったよ」

頭を持ち上げて、オレはアイクにキスを返してやった。



END


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ライが「やっぱここじゃやだよ」と言い出したら…というif
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