小話
□俺達の日常。
4ページ/26ページ
「マサト……ごめん」
「……謝るから、だからもう泣くな」
そんな俺を見て、二人は決まり悪そうにしながらもそう言った。
「ホントか……!? もう解散とか言わない?」
俺が顔を上げて聞くと、二人は揃って首を縦に振った。
「よ、良かった〜……で、何が原因なんだ? 俺にだって聞く権利があるだろ」
俺は照れ隠しのため、涙を拭いて強気に戻る。
「ああ、それはユウが……大事にとっといた俺の杏仁豆腐食べたから……」
「違う! 先に僕のマンゴープリン食べたの蘭じゃないか! 名前書いておいたのに!!」
「そんなの無かった! お前は俺が杏仁豆腐好きなの知ってるだろ!?」
「僕だってマンゴープリン大好きなんだよ! あれ高かったんだから」
「……っ!!」
ああもう。理性が吹っ飛んだ。
気が付いたら、俺は蘭とユウに飛び蹴りをくらわしていた。
「んなくだらねー理由で解散宣言してんじゃねぇよっ!このバカーーっ!!」
俺の言ってること、間違ってなんかいないよな?
**********
食べ物の恨みは怖い。