小話
□俺達の日常。
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【絶対違うと思います】
「NGって何の略やったっけ?」
丙は楽屋のテレビを見ながら、同じようにテレビを見ていたキィスに向かって話しかけた。
番組の内容はNG大賞。画面に写った芸能人達がモニターを見ながら爆笑していた。
「NG? どしたの、急に」
「いや、ふと気になったもんでな。『何してんねん、頑張りや〜』とかでも意味通じると思わへん?」
丙はふざけたように笑いながら言った。
「あ、じゃあ俺も! う〜んとねぇ……『何をどうあがいても、ゴミのような人間は輝けない』……な〜んて…」
「……キィス。なんか悩みあるんやったら相談のるで?」
一瞬見せたキィスの悟ったような瞳に、丙は多少戸惑いながらそう聞いた。
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幼馴染みのドラムとベース。