痴漢日記〜学生編〜

□No.2新池 強
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〈2日目・pm:強〉
今日ほど両親が医師という忙しい仕事で良かったと思った事はない。

あの後……鞄で前を隠すようにしてあの1年生と共にトイレへ駆け込み、互いの制服についた汚れを拭き取った。
それから、恥ずかしげに彼は「ごめんなさい」とだけ言うと学校へ走って行ったが……下着の内側からの滑りに僕は到底耐え切れず家に帰ってきてしまった。
そして、下着と制服の洗濯と乾燥が終わってからも学校に行く気にはならず、欠席の電話をした。
両親の多忙ぶりを知る担任は僕からの電話を疑う事なく了承し……僕はぼんやりとベッドに寝転び、天井をただただ見ていた。

「……あ、あんな事」

目の前で痴漢行為を見たのは初めてだ。
まして男同士で………更に自分も加わってしまうなんて。

ハッとして、僕は首を振った。
思い出すたびに、シャワーを浴び、スッキリしたはずの体…特に下半身のアノ部分がモゾモゾしてしまう。
だから、思い出しては駄目だ…そう思うのに、繰り返し繰り返しアノ時の…彼の蕩けた瞳と熱く勃起したペニス、有り得ない大きさに拡がった肛門…そして、僕の股間に触れた大きな手の感触が、頭の中から足の先まで駆け巡る。
自慰の経験はあまりない。それを快感だと捉えた事もない。
本やDVD、ネットで得るのは受験に必要な知識だけで、友人ともそういった類の話題は口にしない。
むしろ、教室でニヤニヤとそういう話題を口にする級友を馬鹿にさえしていた。

それなのに、どうしたんだろう?

「…あぁ、勃起……するっ…」

何度も何度も宥め続けた下半身も、もう言う事を聞いてはくれず、ジャージの前に山を作ってしまった。

「あぁっ、出るっ…出るっ…駄目だ…んあぁっ…」

咄嗟に下着ごとズボンを下ろし、バスタオルを巻いた枕を股間に抱え込む。

「あぁっん…あぅっ…あ……出るぅっ……」

ビクビクとペニスが跳ね、タオルを汚していく。

「…はぁ…ふ……はぁ、はっ……」

そして、ようやく息が整い始めた頃、携帯が鳴り始めた。

知らないナンバー。

なかなか鳴りやまない電話を僕はとった。

「痴漢されるのは気持ち良かっただろう?」

………っ!!

開口一番にそう問われ、僕は固まってしまった。

「お尻に太いのを突っ込まれるのを見て勃起した……自分もされたいなんて思ったんじゃないのか?」
ゆっくりと僕に言い聞かせるように電話の主は喋りかけてくる。
反論する事も、電話を切る事も出来ず、僕はその声を聞いていた。

「あれから何度射精した?随分物欲しそうな顔をしていたが……自分の尻には何を入れたんだ?ボールペンか、マジックか、それとも……」

「し、してませ……」

やっと絞り出した声は掠れ、震えていた。

電話の向こうで男が笑う。

「嘘はいけないな。強は尻の中をグチュグチュと掻き回して欲しくて仕方ないんだろう?」

「ち、違います。僕…っ…」

泣きそうになりながら、僕は震える指で通話を切った。
電話を切った後も、男の声が頭の中を駆け巡る。
そっと自分の下半身に手をやると、ソコはしっかりと勃起していた。

今の電話に興奮したんだ…。

しかし、愕然とする僕をよそに体が暴走を始める。
抱え込んでいた枕に股間を擦り付け始めた。
ペニスの裏側…睾丸…そして、僕は角度を変え、お尻の孔を擦り付けた。
皺になったタオルが孔をクイクイと押し、何とも言えない快感を生む。

ボールペンか、マジックか…

男の声が反芻する。


タオルだけでも凄いのに、そんな物を入れたら……
ましてや、それがペニスだったら……

「あぁっ…駄目…気持ち良くなっ…駄目だ…あぁっ…はあぁんっ…何、何これっ…知らな…こんなっ………知らないっ……あぁっ…駄目、やだあぁぁあぁぁっっ!!」

爆発するように、性器から精液が飛び散り、頭が真っ白になった。
下半身だけが何度も大きく痙攣し、だらしなく開いた口から零れた涎がシーツを濡らしていた。


僕が目覚めたのは、もう辺りが真っ暗になってからだ。

そう、目覚めた……

「僕……あぁ…駄目、したい、したいよぉ…」

僕はもう快楽の虜だった。

ボールペンを入れた。
マジックを入れた。
深夜にいかがわしいDVDをレンタルした。
ネットで、大きく拡がった肛門に突き刺さるペニスの写真を見つけ、射精した。

けれど、射精の瞬間、頭の中に甦るのは、あの1年生に突き刺さった長大なペニス。
気持ち良さそうな彼の顔。

「…あぁ、入れて……グチュグチュして……」

悶々とした気持ちのまま、僕はいつの間にか眠っていた。
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