痴漢日記〜学生編〜

□No.4椿 忍
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〈6日目・忍〉
嘘だ…と思いたかった。
学校に置いていた替えのジャージに着替える途中にそのおかしなオモチャが見えても、まだ今朝のアレが現実だと思いたくない。

三回イかせてやれ……

低音の濡れた声が耳の奥で響く。
途端にペニスがムクッと頭を持ち上げてきた。

「あれ?忍ちゃん、もう勃起してるじゃん。俺まだ何にもしてないよ?」

「…あっ…ち、違うんだ…コレは、あぁ…は…はぁっ…いやだ…見る、な…」

大地の声にハッとして顔を上げた。

そうだ、ここは剣道部の部室だったと唐突に思い出す。

朝練が終わり、予鈴も間近になり、もう部室には俺と大地しかいない。

朝練中はずっとジャージの上着で股間を隠したまま椅子に座っていた。ありふれたパイプイスは道場に響く振動をいやらしく伝えてしまうが、立ち上がると濡れた股間が見えそうで、俺は必死に耐えていたんだ。

そして、誰もいなくなった部室で、コッソリ着替え始めた時、大地が入ってきた。

「早く…教室に」

「大丈夫、風馬が上手くごまかしてくれる」

そう言うと、大地は俺の着替えを見始めたんだ…。

「早く三回イっちゃった方が良いんじゃない?」

そう言って大地が近付いてくる。

「あ…でも、そんな…あぁ…だめだ…あぁっ…擦るな…あっ…はっ…あっ……」

まだ少年の、細い指がペニスに絡み付き、ゆっくりと上下する。

拒もうと下腹に力を込めると、アナルから何とも言えない快感に頭の芯がジン…と痺れたみたいになってしまう。
それがペニスに伝わり、更に射精感を高め、指の動きを滑らかにしてしまい、それに反応すればまたアナルが……望まない循環が次第に頭の中を侵蝕していく。

大地の言う通り、手っ取り早く三回イけば解放されるのかもしれない。
けれど、その三回を終えた後に、何かが確実に壊れてしまいそうな気がする。

だから俺は懸命に快感に抗いたいんだ……あぁ、けど、もう…もうだめだ…。

「忍ちゃん…アイツからは逃げらんないよ。楽になっちゃお?」

大地の声が遠く聞こえる。

「…あ…はぁ…あぅ…ん、やっ…はぁぁっ…あぁっ…イくぅっ…」

抗いきれず、俺は射精してしまった。

…不意に、カシャ、という音が聞こえ、顔を向ける。

そこには携帯電話で写真を撮る大地がいた。

「……何を…して…」

「ん?証拠。ちゃんとアイツに送んなきゃ…と、はい。一回目終了。どうする?もう一回ぐらいイっとく?」

携帯を片手に大地が事も無げに話す。
俺はもう反論する気も、大地を真っ当な道に諭す気も沸かず、ただ首を横に振った。
電車と今とあまり間を置かず達したので、次の射精がすぐに訪れはしない気がしたからだ。
ダラダラとした辱めにあうのは嫌だった。

「じゃあ、次は昼休みね。うーん…そうだなぁ、職員室行くよ、たぶん風馬が」

俺は再びフルフルと首を横に振った。

けれど、大地はもう向こうを向いていて…無機質な扉の音だけが、やけに大きく聞こえてきた。
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