痴漢日記〜学生編〜

□No.3千草 風馬・大地
1ページ/11ページ

〈1日目〉
あぁ、痴漢されてるな。

獲物を物色中の電車内、なかなか可愛らしい少年を見つけたと思ったら、既に先客がいたようだ。
下を向き、耐える姿にはそそられるが…

仕方ない。

俺はそちらが気になりつつも、目の前のサラリーマンに手を伸ばした。


「は、んっ…んは、んっ…んんっ……」

男は簡単に勃起し、スラックスに染みを作っていく。


簡単過ぎてつまらないな……


「てめぇ、何しやがった!」

俺が小さくため息をついた時、元気の良い少年の怒鳴り声が響いた。

「な、何だ…君は」

うろたえる男に少年がにじり寄る。

「しらばっくれんじゃねぇよっ、この痴漢野郎がっ」

車内がざわつき始める。
俺は前の男から手を離し、騒ぎの方へスルリと近付いた。

「…だ…大地(だいち)……も、良いから…」

息巻く少年の後ろからおずおずともう1人少年が声を出す。

おや……これは

二人は目付きの鋭さに多少の違いはあったが、全くそっくりな容姿をしていた。

「良くねぇ、ったく、やっぱ風馬(ふうま)が座ってりゃ良かったな」
そう言うと、少年は、大人しそうなもう1人を座席に座らせる。

そうか。
だから気付かなかったのか…。

小柄な少年だ。
座席に着いてしまえば姿が隠れてしまう。

あれだけ可愛らしい容姿の双子を最初の時点で認識出来なかった理由に、俺は1人納得していた。

しかし…まぁ、性格は正反対のようだな。

電車内という事もお構いなしで怒鳴り散らす少年に、痴漢していた男は青ざめ、逃げ道を探していた。

くくっ…と、俺は喉で笑う。

大地と風馬か…

面白いじゃないか。

気が強く、元気の良い大地と、控え目で大人しそうな風馬。


二人が同じように後孔を晒す姿を妄想し、俺はほくそ笑んだ。



決まった。

次の獲物はあの双子だ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ