痴漢日記〜学生編〜
□No.4椿 忍
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〈1日目・龍〉
「あの…貴方は…?」
大地、風馬との図書室でのセックスを終え、精根尽き果てた2人が、後始末と着替えを終えた頃、図書室の扉が開いた。
顔を覗かせたのは、上下ジャージ姿のまだ若そうな教師らしき男だった。
「…ごめーん、忍ちゃん。この人俺らの知り合いなんだー。風馬が本選ぶの時間かかっちゃって」
不審げな表情で俺を見てくる様子に、大地がフォローを入れてくる。
「……そうなのか……って、大地っ、お前部活抜け出したと思ったら、こんな所にいたのか」
少し呆れ顔で大地に声をかける顔は、俺が不審者ではないと理解した為か、先程よりも安堵にほぐれていた。
「ごめんごめん。行く行く。ほら、忍ちゃんも行こ。じゃあな、風馬。先帰ってろよー」
身体を鍛えている為、基礎体力はあるらしく、回復が早いのが幸いしたのだろう。
情事の余韻を感じさせず、グイグイと彼の背中を押し、大地は図書室を出ていった。
「今のは誰だ?」
残された風馬に、俺は訊く。
「僕たちの担任、椿忍(つばき・しのぶ)先生です」
「あぁ…それで、『忍ちゃん』か。ふぅん…」
まだ年若いのもあり威厳とは程遠そうだが、その代わり生徒には懐かれているんだろう。
そうだな……例えば、そんな生徒に慕われる先生が教え子に快楽を与えられるというのはどうだろう?
「あの…龍…さん?」
不穏で淫靡な空気を感じたのか、風馬が恐る恐る俺を覗き込んでくる。
「あぁ…少し楽しそうな事を思い付いてな」
俺はにこやかに笑うと、共犯者にするべく、風馬にある計画を耳打ちしてやったのだった。