メルヘン☆タイム

□赤ずきん
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ある所に、とても可愛らしい少年がいました。
少々倒錯的嗜好の母親は彼にフード付きの真っ赤なパーカーと、同色のスカートをはかせ、まるで女の子ように育てていました。
そして、そんなある日………


「ねぇ、世貴(せき)、森向こうのおじさんにぶどう酒と絹を届けてくれない?新しくお洋服作ってくれるらしいの♪」
森向こうのおじさん…というのは、母親の兄で、森を抜けた町外れで一人暮らしをしている。母親と同じく少々変態…いや、変わり者で、世貴の着ている物を始め、様々なタイプの嗜好に合う服を製作しているその道ではかなり名の知れた人物だったりする。たまに試着させてもらう物の中には、たまにドンびきしてしまうようなのもあるが、楽天的な性格の彼を世貴は結構気に入っている。
「うん、いーよっ」
元気よく返事をして荷物の入ったカゴを受け取ると、世貴はおつかいに出かけていった。
膝丈のスカートをなびかせて歩く世貴を道行く人が微笑ましく見送る。あれだけ似合うなら全然OK!…と思いながら。
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