メルヘン☆タイム

□オマケの白雪
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<オマケの白雪>


「一流…遅いな…」
一流が魔法使い仲間に呼ばれたのは二日前。海のそばに住んでいるというその人に会って帰るのは今日の昼の予定だった。
けれど、もう日が沈むというのに一流が帰る気配はない。
木々の間に人影がないかずっと見つめていた雪だったが、闇が濃くなってきた頃、諦めて家に入っていった。
「遅れんなら連絡しろよな…こっちからは何もできないんだから……」
ブツブツ言いながら、ドサッとベッドに寝転がって、雪は天井を見つめた。
一流は魔力を飛ばして遠く離れた人間の意識に語りかけられるけど、ただの人間にはそんな芸当できるわけもなく…雪はただ待ちわびるしかできない。
それに加えて…
「やべ…疼く…」
毎晩のように愛される体が、三日も触れられてないと人肌を…一流を欲しがって、たまらなくなってきていた。
「しょうがないか…居ないんだし…」
小さく息を吐いて、雪は自身をそっと握り締めたのだった。
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