痴漢日記〜リーマン編〜
□No.3 須王帝・No.4 松見一
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「あぁ…い、痛っ…まつ、み…もっ…許しっ…つぅっ…」
更衣室の扉から、洩れ聞こえる声に、俺はドアノブから一旦掛けた手を離した。
須王…と、松見か?
再び、ドアノブを握り、俺は音も無く扉を僅かに開く。
そこには、予想通りの二人が居た。
松見は更衣室のソファにドカリと座っていた。
須王は、その前に座り込み、松見のモノを咥えている。
その尻には極太のバイブが突き刺さり、準備もたいしてされないままだったのだろう、鮮血こそ伺えないが、須王の表情は確かな痛みを伝えていた。
「早くイかせろ。愚図」
「あっ…はい……ふっ…んんっ…」
懸命に松見のモノをしゃぶる須王に、自らの快感など感じる余裕は無いだろう。
ただひたすらに松見の為に奉仕をしていた。
「ふん…使えないな。もっと励まないと…会社、潰すぞ?」
「…ふっ…ぐぅ……っ…んんぅっ…」
喉の奥を犯され、涙を流しながら、須王は松見の精液を飲み下していた。
俺は、静かに扉を閉め、トイレへ身を潜めた。
間も無くして、松見が革靴を鳴らし過ぎ去るのを確認すると、俺は更衣室へと入っていった。
「…えっ…あっ…あの、これは…違っ…」
突然の俺の登場に、須王は軽くパニックを起こす。
未だバイブが刺さったままだというのに、服を掻き集め、更衣室を飛び出そうとする。
「落ち着いて下さい。せめてきちんと服を着てから飛び出してくれませんか?」
その腕を掴み、俺は須王を引き寄せた。
弾みでゴトリとバイブが抜け落ちる。
「あ…あ…あぁ……」
異物が抜け、無意識だろう…一瞬、須王の表情が和らいだ。
「送りますよ。家、どの辺りですか?」
小さな子どもにするように頭や背中を撫でてやると次第に須王が落ち着いてくる。
そして、恥ずかしげに着替えながら、ポツリと口にしたのは、俺が降りるのと同じ駅の名だった……。
畑さんが言っていたのは事実で、須王と松見は同じ大学の同期だった。
が、その間柄は友人関係とは違っていて、須王は、ずっと松見の下僕だったのだ。
「松見は、僕がゲイだって知って…それからは捌け口というか玩具というか……。大学出てからは会ってなかったんだけど、五年前に僕がマツヤに服を置くようになってから、また……」
「へぇ…」
須王がポツリポツリと話すのを聞きながら、俺は次の獲物を決定した。
松見……その高い鼻っ柱をへし折ってやるよ。
それと、須王…彼にも、ちゃんと快楽を教えてやらないとな……。
「ねぇ、須王さん。松見を下僕にしましょうか」
ある程度の話を聞き終え、俺は何でもない様な口調でそう告げた。
「……えっ…何、言って…」
戸惑いを浮かべる彼に向かって、俺は悠然と微笑む。
「俺と貴方で、松見をかしずかせてやるんですよ」
俺の本気を悟り、須王の目が驚きに見開く。そんな事出来る訳ない…と言っているようだった。
「大丈夫ですよ。それじゃ、また明日」
そんな彼に事も無げに答えると、俺は自宅へと体を向けた。