異世界の扉

□世界で二番目になったとき。
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「つくし、本当に大丈夫か?一人で。」
「うん。うちのお母さんが付いててくれるし。それに、道明寺グループお抱えの病院で産むんだから平気だって。あんたは、今回の取引成立させる事だけ考えて。」
「・・・わかった。速攻で肩つけて、俺も行くから。」
「もう、ゆっくりでいいってば。」
「いや。俺はお産に付き添うって前々から決めてたんだ。」
「はぁ。優毅のパパは強情ですねぇ。まぁ、来てくれるのは嬉しいけど。強引な方法で肩をつけるのだけは、やめてよ。」
「分かってるって。穏便にすませてくっからよ。」
「じゃあ、まってるね。」
「おう。じゃあ、行ってくる。」
「行ってらっしゃい。」

今日、朝から陣痛が始まった。

でも、まだ初期の段階だし病院までも自家用のヘリで5分もあれば行けるからのんびりしてる。

司は意地でも、一緒に行くって言ったけど仕事行け!って言って説得して今に至る。

痛みの波が今は引いてるから、ちょっと余裕。

でも、次痛みが来たら病院にいく。
ビー(玄関のベル音)

「はぁい。」
「つくし。」
「お母さん。速かったね。」
「連絡貰って飛んで来たわよ。」
「ありがとう。って、本当に速くない?」
「あたしがヘリで迎えにいったのよ。」
「お義母様!」
「つくしさん。そんな大きな声出したら、優毅がビックリするわよ。それに、出てきて平気なの?」
「すみません。今は、波が引いてるので平気です。」
「そう。でも、もうそろそろ病院に行かなきゃね。」
「はい。でも、お義母様。来てくださってて大丈夫なんですか?」
「えぇ。仕事は全て片付けてきたわ。それに、今回の取引は司に一任しているし。貴女のことだから、早く行け!って追い出してるだろうし/笑。」
「つくし。楓さんに読まれちゃったわね/笑。」
「うん/苦笑。でも、二人とも来てくれてありがとうございます。」
「「いいえ。」」

ほんと、この二人には頭が上がらないよ。

お義母様、仕事が立て込んでるはずなのに来てくれた。
お母さんだって、パート休んで来てくれてるし。

あたしも、二人みたいな優しいお母さんになれるかな?

「痛ったぁ。」
「つくし?」
「陣痛が来たみたいね。行きましょ。」
「はい。楓さん。」

あたしは、二人に付き添われて病院に行った。

病院では医師と看護師が待っていて、ストレッチャーで病室に運ばれた。

それから、2時間が経って次の陣痛で分娩室に入るって言われた。

「つくし!」
「司。」
「早かったわね。司。」
「お袋!来てたのか。」
「えぇ。大事な娘が心配でね。/微笑。」
「跡取りの間違いじゃねぇのか?」
「まぁ。それもあるわ。」
「司!何てこと言うのよ。お義母様は・・・。」
「いいのよ。つくしさん。これは、私達なりのコミュニケーションの取り方だから。」
そうなのだ。

司はわざと、こういう事をいう。

お義母様の前で今まで憎まれ口ばっか言ってたから、それが癖になってる。

照れてんのかも。

「ってかよ。お前、まだここに居ていいのか?」
「うん。でも、次の陣痛が来たら分娩室に行くよ。」
「そっか。あっ、御義母さん。」
「お久しぶりです。道明寺さん。」
「だから、苗字で呼ぶのは止めてくださいって。司で結構です。」
「すみません。まだ、慣れなくて。」
「今日はありがとうございます。」
「いいえ。」
「司。取引は成功したの?」
「おう。ばっちりだ。今日は息子が産まれるんです。って言ったらよ。おめでとうございますって言って、トントン拍子に事が運んだよ。で、早く病院に行ってあげてくださいってよ。」
「そっか。よかったね。」
「おうよ。ってか、そこって類ん所の会社の系列でよ。ちょっと、巻きで遣らせたみてぇ/笑。」
「よく言うよ。自分が、早くしろ光線ビンビンにだしてた癖に。」
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